春霞塾 | 神ってる…課題文献の予測はお任せください
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神ってる…課題文献の予測はお任せください

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過去2回、入試問題課題文を予言したことがあります。

一度目は平成26年度大学入試センター本試験の小説の課題文です。その一年前、ある高等学校の入試問題を作成し、岡本かの子の作品「快走」(昭和13年)を題材に入試問題を作問しました。岡本かの子は、大正から昭和初期に活躍した小説家・歌人で、現在再び注目を浴びている1970年開催の大阪万博の「太陽の塔」を制作した岡本太郎さんの

お母さんです。

この作品は女学校を卒業したばかりのヒロインの道子の若さと瑞々しさ、「毎日窮屈な仕事に圧えつけられて暮していると、こんな駈足ぐらいでもこうまで活きている感じが珍しく感じられるものか」という、道子の開放感と自然描写が秀逸でした。岡本かの子自身もはつらつとした女性だったに違いありません。

足袋を履はくのももどかしげに足踏みの稽古から駈足のスタートにかかった。爪先立って身をかがめると、冷たいコンクリートの上に手を触れた。オン・ユアー・マーク、ゲットセッ、道子は弾条ばね仕掛のように飛び出した。昨日の如く青白い月光に照らし出された堤防の上を、遥かに下を多摩川が銀色に光って淙々そうそうと音を立てて流れている。

次第に脚の疲れを覚えて速力を緩めたとき、道子は月の光りのためか一種悲壮な気分に衝たれた――自分はいま溌剌と生きてはいるが、違った世界に生きているという感じがした。人類とは離れた、淋しいがしかも厳粛な世界に生きているという感じだった。

センター試験当日、一年前に出題した作品の同じ場所が引用出題されていたのを知りました。出題者は女性だったのかもしれません。魅力的なヒロインに共感したに違いないと感じました。

2回目は2017年九州歯科大学歯学部歯学科AO入試の第2次選抜、小論文の課題文です。論文指導のトレーニングについては半年は必要ですが、彼には2ヶ月しか練習期間がありませんでした。

私の本棚には様々なジャンルの本があります。個人論文指導はこのコレクションのなかから、志望大学と過去問の傾向から分析した抽出した課題文献を選び、読んでもらいます。そして、過解答時間と字数に即した課題を出題し、書き上がった小論文を何度も添削していきます。何冊か提示した課題文献の中の一冊が、サミュエル・スマイルズ著、竹内均訳の『自助論』(2002年、三笠書房)でした。これが実際の入試問題で出題されたのです。もちろん彼は全体を読んでおり、自分の考えをまとめ、添削を受けています。神…。彼は無事2次選抜に合格しました。

何年かに1度、このようなことが起きます。2度あることは3度、4度…ありますように。