春霞塾 | 100年に一度の大学入試改革
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100年に一度の大学入試改革

100年に一度の大学入試改革

大学入試センター試験に代わり現在の中学校3年生が受験する「大学入学共通テスト(仮称)」の概要が5月16日に発表されました。2021年1月に実施される2020年度大学受験は、いくつかの点が大きく変わってきます。

1点目は記述式問題が取り入れられることです。マークシート方式に加えて、国語と数学で採用されます。国語は80~120字の問題が3問、数学も解答を導く過程の数式の記述を求める記述式3問。試験時間は延長され、記述式問題の採点は業者が担います。

2点目の変更は英語。民間の資格試験・検定を活用するという方法に変更です。読む・聞くに、書く・話すを加えた4技能を見るため、英検やTOEFLなどの試験から入試センターがどれを採用するか認定していきます。しかし、2020年度大学入試からこれらの試験に全面移行する案、2023年度まではセンター作成試験と民間試験が併存するという案の2案が残っています。

 

北海道大学入試改革フォーラム2017「高校大学社会をつなぐ大学入試を目指して」に5月22日に参加してきました。この文科省発表を踏まえた大学入試センター副所長のプレゼンテーションが非常に印象深かった。

開発者である大学入試センターが記述式問題に自己矛盾を抱えています。①採点に時間とコストが掛かる点、②採点ミスが避けがたい点、③見ようとしている力をこの方式で本当に評価できるのかという点。文科省から下りてきたこの難しいパズルを解いてはみましたが、6月上旬まで(これでは困るという内容の)コメントを文科省に提出してくれ(開発者である私たちも実現ができているとは思えません)と、大学入試センターはイエローカードの発言をしていました。

また、会場からは高校教員からの厳しい声が呼びます。家庭の経済力や居住地によって試験結果に格差が生じるのではないか。家庭だけでなく学校ですら校内のネット環境は不安定なのに、TOEFL iBTは練習することも受験することも困難だ。

よくよく見てみると、2014年12月に出された中央教育審議会の答申で提示された教科の枠を超えた総合型の問題は消え、年数回の「共通テスト」実施とか、コンピューターによる出題・解答といった提言も実現されませんでした。

北海道大学まで足を運びましたが、この百年に一度の入試大改革を高校の先生は勉強しているのでしょうか。部活動をしっかりやれば大学入試に通る根性ある生徒が育ちますと考えてはいませんか。大学受験は日々ダイナミックに動いているのですが、高校教員は中間試験採点と成績入力で疲弊しています。目の前の生徒たちが溺れようが、路頭に迷おうが、考える気力体力がない。高校教員の勉強不足・危機感不足は日本の学校の構造的な問題に思えます。

 

この子達の未来を拓くのは、ひとえに情報量ではないでしょうか。希望を持てず、夢を実現できなかった生徒は、希望を持てない家族を再生産します。平日に北海道まで講演を聴きに行くことは、3月まで在籍した高校では許されなかったことです。誰が、生徒たちの未来を切り開くサポートをするのでしょうか。文部科学省も大学入試センターも学校も、彼らを守るべき大人たちが、自分の責任ではないと逃げています。圧倒的な危機感と情報量をもつ大手塾のサポートを受ける生徒と、現状すら知らないまま部活に専念する生徒。授業を聞いても、文科省の提案する「3つの学力」を育てる方法を学校は持ちません。格差が再生産され拡大するこの改革。背筋が凍る未来予想図が実現しませんように。

 

私は入試改革を引き続ききちんと見ていこうと思います。あなたの人生を応援させてください。春霞塾は小さいけれど、あなたを愛してやまない塾です。